企業や店舗の経費を見直したい場合、業務用エアコンの稼働方法を工夫することで電気料金を抑えるのもおすすめです。エアコンの効率的な運転方法は店舗や工場の営業時間によっても異なるため、自社に合った方法を選択しましょう。今回は業務用エアコンについて、節電に有効な対策などを詳しく解説するため、ぜひ参考にしてください。
業務用エアコンの消費電力・電気代はどれくらい?
企業の事務所や工場、店舗などで使用される業務用エアコンは、従業員やお客さんの健康を守るために欠かせない設備です。一般の家庭で使用するエアコンよりもパワーが強く、広範囲をカバーできるよう設計されています。天井埋め込み型や天井吊り下げ型、壁掛け型、床置き型などの種類があり、1つの室外機に対して複数のエアコンを設置できるのが特徴です。ここでは、業務用エアコンの電気代の求め方や消費電力について詳しく解説します。
業務用エアコンの電気料金の求め方
業務用エアコンの電気代は、気温や設定温度のほか、エアコンの機種、空間の広さと形、契約している電力会社などの条件によって決まります。具体的な計算式は、消費電力×使用時間×電力量料金=電気料金です。業務用エアコンの消費電力と電気代の目安
業務用エアコンは消費電力を馬力という単位で表します。馬力が大きいとその分エアコンの性能も高く、大空間を効率的に冷やしたり暖めたりすることが可能です。また、先述の通り、業務用エアコンの電気料金は使用環境や機種などのさまざまな条件により決まります。一例として、1kWhあたりの電気料金を31円として計算すると、業務用エアコンを冷房モードで1時間稼働させた場合の電気料金は、3馬力の機種で約220円です。
暖房モードは冷房モードよりも高額であり、1時間あたり約248円が目安です。機種の馬力が上がれば電気料金も高くなり、10馬力の業務用エアコンでは冷房1時間あたり約775円、暖房1時間あたり約868円となります。
「エアコンはつけっぱなしの方がいい」というのは本当?
さいきんでは節電・省エネが強く求められていますが、エアコンに関しては運転したままにするのがよいといわれることも少なくありません。ここでは、エアコンをつけたままにした方がよいといわれる理由などを詳しく解説します。エアコンをつけたままにすることのメリット
エアコンは電源をつけると内部のコンプレッサーがフルで稼働して室内温度を設定温度まで近づけようとするため、大きな電力を消費します。外気温と室内温度の差が大きいとその分負荷も大きくなり、とくに電気料金がかさみやすいです。エアコンをつけたままにするのがよいといわれるのは、起動時に大きな電力を何度も消費することを防ぐためです。エアコンを複数回オン・オフすることで、運転効率が低下して電気料金が高くなります。
業務用エアコンの効率的な運転方法
業務用エアコンをつけたままにすべきであるかどうかは、営業時間・稼働状況により異なります。たとえば24時間稼働している工場でエアコンを使用する場合は、電源をつけたままにすると運転効率がよくなり、電気料金を抑えることが可能です。一方で、30分以上従業員全員が不在となるようなケースでは、一度エアコンを停止することで電気代が安くなる可能性が高いです。そのため、夜間は稼働していない工場・営業時間が限られている店舗などでは、営業後はエアコンの電源を切るのがよいでしょう。
エアコン代を節約する方法
業務用エアコンの電気代を節約するために有効な方法について解説します。定期的な掃除を怠らない
エアコン内部のフィルターにほこりやごみが付着していると、空気をうまく吸い込めずに運転効率が低下しやすくなります。定期的にフィルターを取り外して掃除しておけば、高い運転効率を維持して電気料金を節約できるでしょう。設定温度・風量を調節する
エアコンの設定温度と外気温との差が大きくなりすぎないようにする・風量を自動にするといったポイントを押さえることで、余計な電力の消費を防止できます。設定温度については、夏場は28度・冬場は20度を目安とするのがおすすめです。日射をうまく活用する
エアコンの電気料金を節約するには、季節に合わせて日射をうまく取り入れるのも有効です。夏場は日射をしっかりと遮ることで、室内の温度が上がりすぎるのを防げます。また、冬場はカーテンを開けて室内に日射を取り入れれば、室温を高くすることが可能です。日射をうまく活用して室温を調整することで、無駄な電力の消費を抑えられます。さらに、夏場は室外機に日除けを設置するのもおすすめです。